妊娠28週(妊娠8か月)以降は妊娠後期といわれ、お腹が大きくなってきたのが目立つ時期です。お腹の赤ちゃんも活発に動き、赤ちゃんが動いただけで、痛いと感じる妊婦さんもいます。
妊娠後期、気になる主な疾患は『切迫早産』と『妊娠高血圧症候群』です。今回は『切迫早産』について話しましょう。
早い時期からのお腹の張りは要注意
『切迫早産』の主な症状は「お腹の張り」です。お腹が張るとは、腹部に手を当てた時に、いつもより硬くなっている状態をいいます。
お腹の張りが強くなり、痛みや出血を伴って陣痛になり、分娩に進んでいくことがあります。時折、初産婦さんが「妊娠の早い時期からお腹が張る」という自覚があると聞くことがありますが、これは少々問題です。臨月(お産になってもよい妊娠10か月)か妊娠9か月の終わりくらいから、お腹の張りを感じるほうがよいでしょう。
子宮をゴム風船にたとえて説明してみましょう。初産婦さんの子宮は、一度も膨らんだことのないゴム風船と同じで、伸縮性が少ないため、お腹の張りと感じにくい構造だということです。
一方、経産婦さんの子宮は、膨らんだことのあるゴム風船と同じです。軟らかいので容易に膨らみ伸び縮みしやすく、その伸び縮みをお腹の張りとして感じるわけです。
経産婦さんは妊娠8か月頃から、時々お腹の張りを感じることがありますが、痛みを伴わなければそれほど心配しなくてよいでしょう。しかし、お腹は張らないに越したことはありません。
今までの妊娠の経験から「どんな時に、どんなことをすると、お腹が張りやすい」とわかるでしょう。それを避けて、張らない工夫をすることをお勧めします。
時間をみつけて、横になりましょう
さて、人間に比べて四足歩行の動物は、早産が少ないことをご存知ですか?
人間は二足歩行ですので、重力と赤ちゃんが生まれてくる方向が一緒なのに対して、四足歩行の動物は重力と分娩方向が90度違うので、早産が少ないといわれています。「人間も同じ状態(身体を横たえる)で生活すれば予防できる」これが安静を勧める理由です。
妊娠後期に入ったら、できる限り昼食後に横になるように、そして時間があれば座って過ごすより、横になるように心がけていただくと、お腹の張りの不安が少し解消できるかもしれません。ただし、お腹の張りの自覚は『切迫早産』の症状だけではありません。
お腹の張りを感じるようなら、直ちに産婦人科を受診しましょう。
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