今回の妊婦さん向けコラム4回目のテーマは、「妊娠中の歯やお口の健康」についてです。
妊娠してから❞むし歯が増えた❞❞歯ぐきが悪くなった❞と感じる方がいらっしゃいます。
その原因を❞お腹の赤ちゃんに、カルシウムをとられるから❞と思っていませんか。
歯は骨と違って、いったん完成するとほとんど代謝しませんので、赤ちゃんのためにママの歯からカルシウムが溶け出すことはありません。
どうして、妊娠中は歯やお口の状態が悪くなりやすいの
妊娠によってホルモンバランスが変わり、歯ぐきが腫れやすくなったり、つわりやおなかの圧迫感から1回の食事量が減って、食事や間食の回数が増えがちになります。
また、歯ブラシを入れると、気持ちが悪くなったりするので、歯磨き自体が難しくなることがあります。
このようなことから、妊娠中は歯やお口の状態が悪くなりやすくなります。
予防するためには、どうしたらいいの(セルフケア)
まずは、ダラダラ食べにならないように気をつけましょう。
そして、食べたら歯をみがくように心がけましょう。
つわりなどでみがけなかったら、うがいをしましょう。
つわりがある時の歯みがきは、どうしたらいいの
つわりのある時は、体調の良い時間にみがきましょう。
歯ブラシは小さめなものを選び、においや味の強い歯みがき剤をつけすぎないようにして、顔を下に向けて奥から前にかきだすようにすると、つわりがある時の歯みがきが少し楽になるかもしれません。
妊娠中の歯科健診や治療は、どうしたらいいの
ママが歯周病にかかっていると、低出生体重児出産(2,500g未満)や早産(37週未満)のリスクが高まることがわかっています。
安心して出産を迎えるためにも、母体が安定している妊娠中期(4~8か月頃)に歯科検診を受けましょう。
薩摩川内市内に住民票のある妊婦さんは、母子健康手帳交付時に一緒に交付された「妊婦歯科健康診査受診票」で、歯と歯ぐきの検査や歯みがき指導等を無料で受けることができます。
妊娠中に、「妊婦歯科健康診査受診票」を活用して、まずは自分のお口の状態を確認しましょう。
健診結果でむし歯の治療や歯石除去など、何らかの処置が必要と診断された場合は、どうしたらいいの
妊娠しているからといって、治療を先延ばしにしている間に症状が悪化すると、結局、治療に時間がかかったり、口のなかに症状があると食事がとれなくなってしまったりと、母体にも赤ちゃんにもいいことはありません。
痛いのを我慢し続けることは、精神的な安定が重要な時期ですので、当然避けた方が良いと思います。赤ちゃんを産んでから治療しようと思っていても、授乳など子育てで自分のための時間をなかなか作りづらかったり、赤ちゃんの預け先など考えることも多くなり、通院が難しくなる場合もあるかと思います。
レントゲンや麻酔、お薬の影響のことなど、不安なこともあるかと思いますが、心配なことは歯医者さんや産婦人科の先生に相談して、適切な処置を受けましょう。
子どもの歯は、いつごろからでき始めるの
子どもの歯が生え始めるのは生後6~8か月頃ですが、歯の元になる歯胚ができ始めるのは、妊娠7~10週頃で、一部の永久歯も妊娠期からつくられ始めます。
歯の大丈夫な子どもにするためには、カルシウムはもちろんですが、たんぱく質やビタミンなど、バランスのとれた栄養管理がとても大切になります。
つわりなどでつらい時もありますが、調理方法や味付け、回数等を工夫し、子どもの発育のためにも栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
妊娠中だからこそ❤
最近、歯周病になると生活習慣病や認知症になりやすいことが明らかになってきています。ママや家族のお口のケアを取り組むことが、早産や低出生体重児出生の予防だけでなく、赤ちゃんや家族の健康に繋がっていきます。出来ることを、出来る時にしていくことが大切になってきます。
川内保健センターでは、歯科衛生士がいます。歯について聞きたい時には、いつでもお電話してください。お待ちしています。
川内保健センター ☎0996-22-8811
次回は、「お腹の赤ちゃんってすごい!!赤ちゃんのミラクル★」について書いていきたいと思います。
[mashup query="current" hideEmpty="true"]
相談・お問い合わせ先
- 薩摩川内市子育て世代包括支援センターなないろ相談室
- 0996-22-3611
薩摩川内市子育て世代包括支援センターなないろ相談室
〒895-0012 鹿児島県薩摩川内市平佐1丁目18〔薩摩川内市川内駅コンベンションセンター (SSプラザせんだい)内〕
0996-22-3611 / 0996-22-8038